<超高齢社会×政策>
#5-3 これからはICT介護時代!ICT化を進めないと医療・介護の将来はない!?
ICTを進めないと医療・介護の将来はない
田村 合わせて、介護記録もそれぞれ事業者によってやっぱり違うんですよね。
山本 そうですね。こだわりがある方がいらっしゃったり、項目も似ているのですが少し言い回しが違ったりとか、項目群が少しばらついている感じはありますね。
田村 事業所によって特色があっていいんですけど、ある程度標準化してデータベースを取れると、その介護がどのような形であればどのように質が上がっていくのか、みたいな形がわかってきます。ある程度標準化をすることによって、介護をされている方も記録を取る時に頭の整理がつきますよね。自らの介護サービスがより充実したものになっていくという側面もありますから。
介護もそういう書類の仕事が多くて長時間労働になりますから、全部音声で記録が取れていくような形をICT化やAI 化、いろんなものを使ってどんどん進めながら。
人材がこれから日本の国で非常に厳しくなってきますから、効率化を進めていく。大体介護ですと、人件費率が6割超えていますよね。そういうものをどうやって下げて生産性を上げていくか。
それとマンパワー。特別養護老人ホームの人員配置の基準が3対1(入居者3人に対し1人の介護職員または看護職員を配置)になっているにも関わらず、実際現場は1.8対1ぐらいになっているじゃないですか。
本来は3対1でやってくださいとなっているので、できるようになるにはICTやAIや色々なものを使って、どうやって効率化していくか。ロボティクスも使わなければいけないと思いますね。そうなってくればマンパワーが足らなくても、ある程度質を落とさずに回していけるような介護の現場が作れるのかなと思いますね。
山本 コミュニケーションを取りながら情報共有をするための ICTと、人で全て見守るということに限界があるので、やっぱりAIとかセンサーとかロボットとか、そういうところがもっと進化していくと日本の医療介護の分野が良くなっていくのではないかと。
田村 そうですね、もう進化せざるを得ない状況になっております。
山本 逆にもう追い込まれているという、必然としてこういうことが行われないといけない。非常に今の話でありがたいなと思っていることがありまして。我々ICTベンダーとしては、頑張って現場を効率化しようとする中で、自治体ごとにばらついているものをどう吸収するかが苦労している部分であったので、コア部分や介護記録の標準化で、より利活用されやすくなることが本当に政策と現場がマッチしているような感じをすごく受けました。どんどん進めていただきたいです。
田村 スタートした時にそれをやっておけば良かったのですが…医療も介護も日々少しずつ走りながら進化しているので。
山本 そうですね。
田村 どこかでこうやって見直さなければいけない時がきます。まさに今そういうときに来ていると思いますね。
山本 はじめにガチッと固めてそれがズレるというよりは、変化しながら対応していくというのが一番進化する気もしますので、そういう風に動いていただけているのが現場の方にとって非常にありがたいと思います。
地域医療構想で、地域の医療リソースとかベッドの配分が最適化されて、地域包括ケア・地域共生社会では医療介護連携とか地域の住民の生活支援が繋がっていき、 ICT・AI・IoTセンサーなどでもっと効率的な社会を作って、安倍総理がよく言っていらっしゃる「データヘルス」とか「ペーパーレス化」とか、そういったお話に繋がってくるのかなと。それが今後政府が考えられている医療・介護の展望なのですね。
田村 そこが進んでいかないと、日本の医療・介護はこれからの将来はないと言ってもいいと思いますね。