<超高齢社会×デザイン>
#1-2超高齢社会に大ヒットすべきデザイン
世界のデザインの動向と日本企業の強み
山本 VRとかロボットを遠隔でとかARとかそういうものも普及してきて社会が大きく変わっていく。そういうことが実現できれば豊かな老後も実現できるんじゃないかということですね。
そういう中でグローバルで活躍されている坂井さんにとって、世界のデザインの動向と日本の企業がまだまだそこで戦えるという強みについてもう少しディスカッションさせていただきたいんですけれども。
坂井 日本ほど素晴らしいデザイナーがたくさんいる国はそんなにないです。ただ結果として日本の製品がすべて美しいかというとそうでもないですよね。デザインの専門家が作ったものを全くのアマチュアがこれがいいあれがいいと介入してとんでもないものを選んだりするということがあって、やっぱり経営者の中にデザイナーが組み込まれてApple社でいうジョナサン・アイブみたいな、あるいは日産におられた中村史郎さんみたいな事例で、やっぱり経営の中にデザインが入っていないといけないんですけど、デザイナーというのは人口構成上マイノリティーなんですよね。数的にトヨタみたいな大規模な企業でも800人しかいないんですよ。
山本 トヨタで800人しか。
坂井 800人という数はその数では大きいんだけどその何十万人という従業員の中での構成比でいえばめちゃくちゃ力がないグループになりますよね。
山本 とはいえ結構一番重要な位置を占める商品全体のイメージを決めるところになりますね。
坂井 そうです。