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<超高齢社会×デザイン>
#1-2超高齢社会に大ヒットすべきデザイン

ものづくり時代のデザインとサービス時代のデザイン

山本 坂井さんはたくさんの商品デザインに関わってこられて、サービスにおける UX・UI  とモノに対する商品デザインではまた違うとは思うんですが、坂井様が考えられるような商品デザインの重要性を是非教えていただければと思います。

坂井 商品デザインは価値づくりの部分ですよね。ブランドと同じような意味で。(原研哉さんは「顧客の欲望の水準を変える」のがデザインと語っている。)

山本 価値を創造する。

坂井 色や形ってそういうためにあるということだと思うんだけども、やっぱりヨーロッパが伝統的に上手にやっている。もともとそのバウハウスという100年前に起こったデザイン運動があるんですけど、その時のメンターが米国に何人か逃げたんですよ。ヒットラーが壊したんですよね、バウハウスを。その後にヨーロッパに残った人たちはブランドの価値観をどう形成するかにデザインを使って、アメリカ行った人はそのデザインそのものでマネタイズする資本主義的な発想になっていって。その考え方が日本にもきた。それが全世界に広がっていったということ。デザインはまだ100年しか歴史がないんですよね。だから色んなデザインの話って一般の方はあまりご存知ないですよね。他の例えば哲学は数千年経っているじゃないですか。そういう他の学問分野に比べてデザインというのは短い。

山本 学問として歴史が短い。

坂井 だからなかなか皆さんが頭の中に入りきっていないということ。日本ではデザインという言葉を色や形として主に訳してきたんだけど本来は「設計」という意味と「色や形」という部分と。あるいは「問題解決」。その三つぐらいに分けてデザインの機能は考えなきゃいけないんだけど、ほとんどは「色や形」と思っている人が多いですね。

山本 ものづくり時代のデザインとサービス時代のデザインは、かなり大きな変化が起きてくる。今その過渡期なのかなというところがあるんですけれども、そういった中でのデザイン特に UX・UIなどについてちょっとお伺いできればなと思うんですけれども。

坂井 今のシリコンバレーのデザイナーなんかも実はUX・UI以外はもう就職先ないんですよ。

山本 UX・UI以外はもう就職先がないということですね。

坂井 GAFAはもうほとんどUX・UIですからね。中国なんかもある意味そう。日本は伝統的にものづくりが好き。秋葉原に行ったらわけもなくロボットを作って楽しんでる人が一杯いるじゃないですか。全く役に立たないですけど(笑)

山本 日本はやっぱりロボット好きというのはありますね。日本のロボット文化には将来性がある。

坂井 ただASIMOなんかもね、原発が吹っ飛んだ時にASIMOが助けに行ったらかっこよかったんだけど。実際にはそういうことはできないロボットだから限界もあるんだけど。ただ日本のロボットにはまだチャンスはあると思いますね。

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