<超高齢社会×デザイン>
#1-2超高齢社会に大ヒットすべきデザイン
これから大ヒットすべき超高齢社会時代のデザイン
山本 商業ロボットはやはり日本の性能もデザイン性も含めて非常に世界でも評価されている。ただ世の中がサービスの世界になってきてGAFAを中心としてUX・UIの方にシフトしてきていると思うんですけども、そういう中で日本は超高齢社会に突入していてデザインについても変わっていくべき過渡期なのかなというところですが、坂井様が考えられる超高齢社会の時代における商品のデザインについてはいかがでしょうか。
坂井 この中にいる皆さんの中では僕が一番リアルに近い年齢かと思いますけど。 AIとかIoTとかロボットとか、そういうものを使いながら、コンピュータって脳ですよね。そこにセンサーがついてようやく五感みたいなものをデジタル的に作るわけです。それを稼働させるロボットだということを考えるとその三つが一体化した製品がたぶんこれから大ヒット製品にならなきゃいけない。
山本 AI が頭脳でセンサーで五感を整備して実際にそれを動かすロボットを整備することによって商品化される。
坂井 日本はファクトリーオートメーションに強いし、キーエンスさんとかオムロンさんとか色々難しいものを作れる会社があるからチャンスは随分あると思いますね。
山本 特にこの超高齢社会時代ですと我々もその領域なんですが、医療介護の分野ですとか、子育ての分野といったところに、これから新しい商品が世界が初めて直面するこの課題に対して、どういう商品をこれからここにぶつけていくのか、どうやってソリューションしていくのかというのがすごく重要な中で、高齢のゾーンの方々に対して先程のロボットが出てくるというところが現実今の時点ではまだ出ていないだと思うのですけど、こういったところについて例えばどういったものが今後出てきそうだとかございますか。
坂井 一般的に日本人が考えてるロボットというのはそれこそアトムとか、ASIMOとか二足歩行型ロボットを考えてるけど、実際に介護の現場で使うものは例えばお風呂に入れるという単機能、あるいはベッドを移動させる、服を着替えさせる、そんな専門的なことだけできればいいというのを複数作るということですよね。
山本 人型じゃなくて目的型ロボットですね。この人型ロボットを目指して作ってるのは日本だけだというのよくお聞きするんですけども、世界に行かれるとロボットの種類もかなり多岐にわたっているのでしょうか。
坂井 いきなりとびますけどEV、自動運転という文脈は基本的にロボットなんですよね。
坂井 なおかつEVの自動運転というのは住居空間の一部でもある。それがフレキシブルに移動して外に出たり、行ったり戻ってきたりするという格好のロボットだと。
山本 モビリティ自体が大きく変化する時代にあると。
坂井 そこまで含めてロボットという認識でやると結構介護系の話なんかも繋がっていく。身体の不自由な老人の方というのは移動が非常に大変ですよね。でもモビリティ型で自動運転でEVというのは非常に向いている。僕も実は左足大腿骨を骨折したことがあって。その時、車っていいロボットだなぁと実感しました。右足があればオートマは運転全然問題ないですからね。つまり車に乗ってる状態が一番自分のハンディを感じにくい。歩くとなると大変なんですよ。ギブスはめて。ロボットみたいですから。だからロボティックスは総合的に考えると面白いと思っていて。
山本 でも自分ができることで他の一般の障害がない方と同じことを実現できるというのはロボットにしかできない良いところですね。
坂井 しかもハンディのある方が近づいていける。普通の人といる場所にね。おそらく電気自動車なんかもスーパーマーケットの売り場に入っていけるレベルまでいきますよ。センサーがついていて誰にも衝突しない。そういうものが工学的には当然作れるし。そうなると一般の人とほぼ同じの生活が体験できるような時代がくるでしょうね。来てほしいし。
山本 やはり超高齢社会で介護状態になって人の手助けが必要になったときにロボット、EV とか様々なもので昔と同じようなことができるような社会が来るんじゃないかと。
坂井 僕はそう思いたいね。
山本 そうなるとずっと自分らしく最後まで生きられるということが実現できるんじゃないかということですね。