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<超高齢社会×婚活>
#2-2 1年で1万2000人の赤ちゃんに寄与

日本の婚活、何が難しいでしょうか

上条 日本の婚活市場というのは何が難しいのでしょうか。

石坂 まず日本は、本当に結婚に重きを置く国なんですよ。日本だけなんです。恋愛して結婚して子どもを産むという順番を先進国で守り続けているのは。大概、欧米なんかは親から独立して同棲だったりシェアフラットだったりして、一緒に住んでいるうちに仲良くなったら子どもができて、親のところに、子どもができたから報告に来ましたと。親は別にそこで怒らないですよね。順序が違うとは言わない。おお良かったな、おめでとう。ところで結婚するの、しないの? だから別に結婚が絶対じゃないんですよね。

山本 確かにヨーロッパの方だと事実婚とかも多いですよね。

石坂 でも日本は、ほとんどが結婚してお子さんを産むという手順を踏む国なので。非常に結婚に対しての憧れも強いし、重視している反面、そこにどうしても躊躇して結婚する判断を先送りする方がたくさんいます。そこが特徴であって。そうすると婚活市場も、特に都市部なんかでは結婚しなくても幸せな人生を送っていけるような世の中になっていますから、しなくてもいいという選択がいくらでもできるんですね。ただサービスとして運営するには都市部の方がマーケットが大きいので、そこでたくさんの事業者が出ているじゃないですか。実は、東京を中心とした都市部よりも地方の方が結婚によるメリットと言ってはあれですが、娯楽も東京ほど多くはないですし結婚することでいいことや幸せがたくさんあるから、そちらが本当はそういう仲介の手があった方がいいんです。そこに市場のゆがみというか。必要な所にないというのが問題だと思います。

山本 若者はやっぱり東名阪に、東京とか一番人口が増えていると思うのですけれども、そうやって若者が東京に集まってきてすごく楽しくてなかなか結婚しないというのが社会問題の一つですよね。

石坂 女性も、悪いことでは全然ないんですが、仕事にやりがいをもって、恋愛よりも仕事の方が今は大事だと思って、ずっと過ごしている方がやっぱり都市部は多いわけですから。

山本 うまく両立したいですよね。恋愛も結婚も仕事も、全部両立しながら生活していけるような国になると非常にいいですね。

石坂 そうですね。でもそのためにはやはり労働時間。今必死に皆さんやっていますけど。

山本 働き方改革ですね。

石坂 なるべくコンパクトにしていこうとか。自由度の高い働き方を会社も作っていこうとか。あとは子育ての行政の支援とか、保育の問題とかね。そういう環境をもっと充実させていかなければいけないということです。

山本 特に保育園などは都市部だけすごく足りなくて、地方に行くと結構、実は余っていたりするんですよね。本当は地方の方が、子どもを育てやすいけれども地方に行くと仕事がない。これはもうジレンマがやっぱりすごくありますよね。

石坂 せっかく保育園にやっと入れても、土日のサービス業の人は日曜日、土曜日の一部は預けることができないってことに直面したり。時間もそんなに四六時中サービスして欲しいわけじゃないですが、どうしても普通の人は5時6時まで働くところを、もうその前に迎えに行かなければいけないとか。ちょっと熱出てたり鼻水が出てても迎えに行かなきゃいけないとか。

山本 病児保育が充実してないですからね。本当は社会がそれを包括的に子育てしやすい社会にみんなでしていくというのがすごく重要だと思いますし、海外を見るともっと子どもに優しい国が多いですよね。

石坂 もう一つは日本の婚活市場というか、やはり政治も、少子化に歯止めを掛けなきゃいけないというものの、どうしても結婚というのはプライベートな問題なんで、立ち入りにくいという部分もあるんですね。

山本 そうですね。国が結婚しましょうと言っても、結婚はしないですからね。

石坂 そうなんです。だからなかなか、自治体や行政による婚活支援というのは、スタートしてもう時間は経っているのですが、それほど実行力に結びついていないところがあるんですよね。

山本 最後の「結婚しましょう」まではちょっと言えないですからね。出会いをつくるぐらいまでで終わってしまうんですよね。

石坂 (行政も)やるにはやってるんですよ。でもどうしても、マッチングイベントが中心になって、支援する方々もいるんだけれども別にその道のプロではないので。なかなか成果が出てないのが現状なんですよね。

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